ゆるら短歌diary

ゆるらと、短歌のこと書いていきます  

2023-01-01から1年間の記事一覧

𠮷澤ゆう子歌集『緑を揺らす』を読む

潮のにおいがする。波の音が聞こえる。島影が見える。森の木々の葉擦れの音がする。かと思うと、遠い異国の町並みや石畳、大いなる川の流れ、そこから重厚な音楽が聞こえてきたりする。 塔短歌会所属の𠮷澤ゆう子さんの第一歌集『緑を揺らす』。 この歌集は…

牛隆佑歌集『鳥の跡、洞の音』を読む

牛さんに、私の歌集をお送りしたいと、メッセージした時、「せっかくなのですが、歌集のご恵贈は遠慮させていただいておりまして、関わったものでない限り書店で購入するようにしております。これはささやかながら葉ね文庫など歌集を扱ってくれる書店の売上…

石畑由紀子歌集『エゾシカ/ジビエ』を読む

肉を焼く お前も肉だろうという声が肉からする 肉を焼く この一首が、Twitterに流れてくるのを見たとき、たまらなく「石畑由紀子」という人の歌を読んでみたいという衝動が走った。 何だろう、人間だけがもつものなんてなんになるの、人間としての尊厳なんて…

澄田広枝歌集『ゆふさり』批評会(第二次案内)

澄田広枝第二歌集『ゆふさり』批評会の第二次案内を公開させていただきます。 短歌について、広く楽しく、多くの皆さまとお話ができたらと思います。 ご参加、お待ちしております。

畑中秀一歌集『靴紐の蝶』を読む

畑中秀一(はたなかしゅういち)さんは、白珠の同人。現在、私が参加している「フレンテ歌会」のメンバーでもある。 昨年、40年間勤めた会社を退職し、新しい生活へのスタートとして、この第一歌集『靴紐の蝶』を上梓したということだ。 朝とらえ夜とき放…

澄田広枝第二歌集『ゆふさり』批評会

素敵なパネラーの皆さま、励まし背中を押してくださる歌友の皆さまに支えられて 澄田広枝歌集『ゆふさり』批評会を企画しました。 多くの方々のご参加をお待ちしています。

佐々木佳容子第二歌集『遠い夏空』を読む

『遠い夏空』/2020年青磁社刊 は『白珠』の同人である佐々木佳容子(ささきかよこ)さんの第二歌集である。私が参加している『フレンテ歌会』の先輩である。 この歌集は、四章に分かれている。章を重ねるごとに、編年体ではないということだが、著者の心情が…

紀水章生第二歌集『風と雲の交差点』を読む

『風と雲の交差点』は、2014年に、第一歌集『風のむすびめ』を出版してから、9年ぶりの紀水章生の第二歌集である。 著者の「あとがき」にもあるように、近年、著者は自作短歌を朗読ビデオ化することに精力を傾けてきた。言葉と文字による表現以外の要素とし…

千葉優作歌集『あるはなく』を読む

毎月の『塔』の作品や Twitterに流れてくる著者の作品を読みいつも、わたしの心のなかの風景がそのままとりだされて、目の 前におかれているような感覚に陥る。 それほど、この人の紡ぎ出す言葉の世界は、私が表現したくてしたくて、それでも表現し得ない世…