ゆるら短歌diary

ゆるらと、短歌のこと書いていきます  

2019-02-01から1ヶ月間の記事一覧

遠くの敵や硝子を/服部真里子歌集より

陽だまりで梨とり分けるしずかな手あなたとはぐれるなら秋がいい 陽だまりの縁側、窓辺でもいい、母親が梨を剥き主体にとりわけてくれている。梨は水分が多くて冷たい果実だ。小春日和の温もりの中で、そのしんとした冷たさはいっそう際立つ。 肉親といえど…

窓の匂い/前田康子歌集 より

ずっと前から、この人の描く、草や木や花の佇まいや、匂いや手触りが、とても好きだった・・ こっつんと踏んでしまいし椎の実の楕円の感じ足裏にある 固い椎の実を踏んだときの足の触感がリアルである。「楕円」というかたちがつぶさに感じられるところがす…