ゆるら短歌diary

ゆるらと、短歌のこと書いていきます  

2022-01-01から1ヶ月間の記事一覧

溝川清久歌集『艸径』を読む

冬生まれだからだろうか、冬の空気が好きだ。幼い頃、薪を集めるために山に入った。陽のあたらない木陰の湿った土の匂いや、ふかふかとした枯葉の嵩を足裏に感じながら歩くのが好きだった。せせらぎというにはさびしい水音や、鳥の声、さざ波のような風の音…

永田愛歌集 『LICHT』を読む

どのように生きてもたぶんかなしくてときおりきみの指が触れるよ 歌集の装画は、子どもの手遊びで切り取られたようなあかるいレモンイエローの断片が散らばっている。しかし、この歌集を流れているのは、言いようのないさびしいレモンイエローだ。あたたかい…